前歯や後方歯の一部分気になるところがあった時など、そこだけを矯正する 治療法を部分矯正(限局矯正)と呼びます。 たとえば、少し八重歯になっている、前歯が重なってガタガタ、隙 間が空いている・・などの場合に行う治療法です。 不正の程度が比較的高度で、全歯を矯正しなければならないほどの全顎矯正(本格矯正)となりますと時間や費用がかかったり痛みの範囲が広かったりのデメリットがありますが、部分矯正はそ ういったデメリットが軽減できます。
○部分矯正の期間○
通常の全顎矯正だと1~3年程度はかかりますが、部分矯正だと歯全体を動かすより治療期間が短くて済み、3か月~1 年程度になります(不正の程度による)。 ただ、奥歯にも不正がある場合には上下の歯をきちんと噛み合わせるため、部分矯正ではなく全体を矯正した方がいいと診断されることになります。
○部分矯正のメリットとは○
◇短期間で治療できる◇
部分矯正の最大のメリットとは比較的短期間で歯を動かせ、歯並びがよくなることでしょう。上記のように 通常だと全体の歯を矯正するのに最低でも1年以上はかかってしまい、金属製のブラケットを装着する必要があります。たとえば、前歯だけの部分矯正の場合としては、歯のねじれや、上下左右に段差がある歯並びを改善するのに最適です。
◇器具が目立たない◇
歯の表面に装着するブラケットを透明で金属製でないものにすれば、基本 的に目立ちません。 前歯の矯正では、前歯だけに装着し、糸切り歯より奥には取り付けないため目立ちにくいメリットがあります。さらに、歯の裏側にブラケットをつけることができれば、全く表からは見えませんね。取り外し式装置で済む場合もあります。
◇歯を抜かずに済む◇
歯を正しく配列するための隙間を作るために抜歯をすることはほとんど行いません。ただ、抜かない場合で歯を削ることはあるかもしれません。その場合、矯正治療ではなく補綴治療による被せもの(義歯)による形態や位置の修正治療と比較しますと、削除量は多くても数ミリで、かなり少ないものです。
◇口腔ケアが楽◇
歯に装置をつけると歯ブラシがしづらかったり、食事の際に食べものが詰まったりしますが、前歯の部分矯正の場合には前歯にしか装置をつけないため全体矯正と比較しますと日ごろのお手入れが楽です。
○部分矯正のデメリットとは○
◇奥歯の咬み合わせは治しにくい◇
部分矯正は主に前歯だけを治療するため上下の奥歯の咬合を含めて治すことは限界があります。
◇全体矯正と比べて仕上がりがよくない◇
部分矯正であっても歯並びを綺麗にできますが、もともとの歯並び の状態によって全体矯正より仕上がり面で劣ることもあります。
○まとめ○
いかがだったでしょうか? 歯を短期間で矯正できる部分矯正についてご紹介しました。 部分矯正はどんな不正咬合でも行える治療ではなく、治療するためには歯科 医師による診断が必要です。 部分矯正で十分なのか、全顎矯正が必要なのかをしっかりとプロによって見極め てもらい、治療を行うことこそが患者さんの将来の健康につながる はず。 部分矯正が可能かどうか、または全顎矯正が必要なのか・・疑問 がありましたら一度クリニックで相談してみるといいでしょう。 きっと皆さん個人個人に合った矯正法を提案してくれるはずですよ!