子どもの歯並びが悪くなる原因と歯科矯正の必要性とは

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発育期の子どもの歯並びに問題があると、親としては歯への影響や、噛み合わせによる今後の発育への影響など気になるところです。歯並びや噛み合わせが悪くなる原因とは何か、そして、具体的にどんなことになる可能性があり、歯科矯正が必要なのでしょうか。

◆原因とは
不正咬合の原因の分類の仕方はいろいろありますが、先天的なものと後天的なもの、あるいは、一般的なものと局所的なもの、などがあります。

先天的なもの
生まれる前の原因ですが、歯については、先天性欠如歯(生えてくるべき永久歯の本数が少ない)、過剰歯(歯が決まった数以上に作られる)、埋伏歯(歯が顎骨の中で止まって出てこれない)などがあります。

遺伝によるもの
親の特徴が必ず子どもに、ということはないでしょうが、あごの骨格や歯の大きさが遺伝することはあるでしょう。両親からそれぞれ受け継いだ、あごの骨格と歯の大きさのバランスがとれない場合もあります。

乳歯の虫歯
虫歯が原因で乳歯を早く失ってしまうと、無くなったところの両側の歯が寄ってきて後に生えてくる永久歯のためのスペースが狭くなり、永久歯がきれいに並ぶことができない場合があります。

生活習慣からの影響
・柔らかい物ばかりで固いものをあまり噛まない
スルメや野菜スティックのような固い食べ物を噛むと、奥歯は食べ物をすりつぶすため上下左右に横に動きます。これらの動きは噛む回数とともに、筋肉やあごの成長を促します。
きちんと噛む習慣がないと、あごが十分成長できず、歯並びに影響することがあります。

・頬杖をつく
常に同じ側で頬杖をついていますと、片側からの押す力で、歯が傾いてしまったり、あごの形に影響したりする場合があります。

・指しゃぶり おしゃぶり
おしゃぶりの長期使用や親指をしゃぶる子供の場合、上の歯が表に出て下の前歯が奥へ傾斜して、出っ歯で開咬の状態になるおそれがあります。

◆不正咬合の問題と矯正の必要性とは

虫歯になりやすい
噛み合わせが悪くてよく噛まないで飲み込むと、唾液が十分に分泌されません。唾液は歯を守る役目をしているので、虫歯のリスクが高まります。
また、歯並びがデコボコしていると、歯ブラシが届かない部分ができてしまうため、磨き残してしまいます。

発音への障害
前歯の開咬や舌の突出癖などがあると、歯頚音である「さしすせそ」や「たちつてと」がうまく発音できず、舌足らずな話し方になってしまいます。

口を閉じていられなくて口呼吸する
のどの痛み、鼻づまりの他、前歯が出ていたり、上下の唇歯が閉じられないと口呼吸になってしまうことがあります。口呼吸は通常の鼻での呼吸よりも、細菌がのどへ攻撃をしやすくなります。
さらに、口が乾いてしまい唇の割れや歯肉炎、さらには口臭が出やすく、また、唾液が歯を守れず、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。

筋肉のバランスが崩れる
歯並びが悪いと、噛み合わせや咀嚼の仕方も悪くなり、歯やあごに負担がかかります。極端な場合では、首やあご周りの筋肉のバランスが崩れ、肩こりや頭痛がおきたり、姿勢が悪くなったりしもします。

顔の表情が気になる
歯並びの見た目がコンプレックスとなり、思い切り笑えないといった気持になってしまうこともあります。

子どもには毎日元気に過ごしてもらいたいものです。そのためには、虫歯がないことだけではなく、歯並びや噛み合わせが健康維持に重要ですので、家庭では口腔ケアに留意し、定期的な歯科受診をお勧めします。その中で医師と相談しながら、必要であれば矯正を選択していけばよいでしょう。

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