大人の歯科矯正のメリットとデメリット

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矯正治療は、若い人たちだけが恩恵を受けるのでしょうか? いえ、成人の方でも歯並びがそろうと、見た目の印象がより良くなるだけではなく、口腔内の環境や体全体にも良い影響があります。また、年齢を重ねて高齢者になった時の予防も大切なことです。

 

 

【メリット】

1.見た目がよくなる

 

矯正治療による大きなメリットは、見た目がよくなり、歯並びが悪いことがコンプレックスである人は、それから解放されストレスが解消することです。

性格や考え方にプラスの影響を及ぼすこともあります。『若いときにしたかったけど、できなかった』という方もいらっしゃいます。

 

2.噛み合わせが整う

 

歯の位置がずれていることによる噛み合わせの悪さが解消します。噛み合わせが整うと、左右の歯でしっかりと咀嚼することができるようになります。

その結果、胃腸など消化器官への負担も減らすことができますし、。特定の歯だけに強い力が加わることがなくなり、歯ぎしりをしなくなったというケースもあります。

 

3.虫歯や歯周病になりにくくなる

 

歯並びがそろうと、歯磨きやデンタルフロスがしやすくなります。歯の間に食べたものが詰まりにくくなり、詰まっても歯磨きで簡単に落とせるようになるので、虫歯や歯周病のリスクが減ります。口腔内が清潔に保てることから、口臭の改善も期待できます。

 

4.体全体のバランスが整う

 

歯並びや噛み合わせがよくないと、頭部のバランスが崩れ、そのバランスの悪さを取り戻そうとして体の色々なところに負担がかかります。そのことが頭痛、肩こり、めまいなどの症状を引き起こすことがあります。全身にも影響することがあります。

中には、ひどい腰痛の原因が噛み合わせの悪さだったという事例もあるほどです。矯正治療によって全体のバランスが整うと、体の様々な不調が解消されるケースがあります。

 

5.全身の健康状態を整える

 

矯正によってきちんと咀嚼できるようになると、表情筋が活発に使われるようになり、顔の左右差やほうれい線、シワの改善などが期待できます。

また、しっかりと咀嚼しあごを動かすことは、唾液の分泌を促し脳に刺激を与えます。唾液は消化を助けるだけでなく、免疫力アップにも役立つと言われています。脳内の血液が増えると神経活動が活発になり、脳全体が活性化すると考えられています。

 

【デメリット】

 

1.矯正に痛みが伴う

 

大人の歯は、子どもの歯と比べてすでにしっかりと位置が固まっています。その状態から歯を動かしていくので、最初のころはかなり痛みを感じることが多いようです。徐々に痛みは治まってきます。成人の方の場合は、子供さんに比較して、痛みに対する閾値が低いということもあります。大人はちょっとしたことでも気になりますね。個人差がありますので、先入観は捨ててください。

 

2.歯や歯茎にダメージが出ることがある

 

すでにある程度骨が固まっている大人の歯の場合、矯正治療を施しても歯が動きづらい場合があります。無理に移動させようとすると、移動させたくない歯が動いてしまったり、歯の周囲の骨が溶けたりすることがあります。その場合は歯を移動させる方法ではなく、被せものを使う方法などで対処します。

 

3.移動が完了するまでに時間がかかる

 

子どもの矯正と比較すると、動かした後戻ろうとする力が加わりやすいのが大人の歯科矯正治療の特徴です。

動かした後の位置でしっかりと歯並びが固定するように、しばらく保定装置というものを付けますが、定着までに3~5年かかる場合があります。その間は通院も続くので、ある程度の費用がかかることも覚悟しておきましょう。

 

少し前までは、成人矯正は禁忌と思われていました。やるとしても、全体ではなくて、部分的で、極力大きな移動はしないように、短期間で、という様に。歯の移動には関連する歯や歯周組織の細胞活性などが関係しますが、歯があり歯周組織が健全であれば、いつでも歯は動かせます。矯正は可能です。

 

また、若いころには目立たなかった歯列の乱れが、中高年になるにつれてひどくなることが通常です。ですから、こういった歯並びの立て直し的な考え、つまり予防的な発想で歯列を整えることは、その後の健康に大きな影響を持つことになります。

 

歯並びを整える歯の矯正は、審美面のメリットだけでなく、その人の生き方を前向きに変えたり、体全体のバランスを整えて体調を改善したりする効果が期待できるのです。

 

歯があれば、いつでも矯正治療はできます!

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