矯正歯科治療中の口内炎

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矯正治療中の悩みとしてしばしば挙がるもののなかに、口内炎併発があります。一口に口内炎と言っても、矯正装置によって口腔粘膜が擦れたり、切れたりしたものと、アフタ性口内炎、ウイルス性口内炎と呼ばれるものなどがあります。

何もしないでも痛いのに、さらに装置の着脱時や、ワイヤーなどで常に当たっている場合など、我慢するのは辛いものです。口内炎の原因は細菌、ウイルス、アレルギー(歯科金属やフルーツなどの食物)、薬剤などさまざまですが、原因が特定できないものも多く、白血病、貧血など血液の病気で生じるものもあります。誘因として疲労、体力の低下、免疫異常、ビタミン欠乏、精神的ストレス、遺伝的要因、口腔清掃不良などがあげられます。

 

口内炎にならないようにすることはなかなか難しいものです。しかし、治療自体が難しくても、口内炎の痛みをあまり感じないように工夫することは可能です。

【1.矯正用ワックスを使用する】
矯正器具が舌や口の粘膜に接触することで口内炎になっている場合、接触している部分を改善すれば数日で治ることがほとんどで、矯正治療の場合、初期段階に出やすい症状です。慣れもありますし、粘膜も固くなってきます。また、治療が進み歯並びも改善されてくれば、矯正器具も当たりにくくなります。

矯正器具が当たることでできる口内炎には矯正用ワックスの使用が効果的です。矯正用ワックスとは矯正器具を覆う粘土のようなもので、口の粘膜と接触してしまう部分に使用します。器具の一部をカバーするため粘膜の接触を防ぐことができ、口内炎の痛みを和らげるほか、発生防止も期待できます。しかし、実際には接着性が乏しく、剥がれやすいのが欠点です。

矯正用ワックスは、矯正治療を行っている歯医者さんで購入することができます。市販されているものもありますが、まずは治療を受けている歯医者さんに相談してみるとよいでしょう。

【2.矯正器具を調整してもらう】
矯正用ワックスを使用しても口内炎がよくならないとか、あまりにも長引くようであれば、矯正器具自体を調整してもらう方法もあります。矯正にはある程度の痛みがつきものですが、普段の生活に支障が出るほどの痛みがある場合には、矯正医に相談してみるとよいでしょう。

口の中の状態や矯正装置の形状などにもよりますが、ワイヤーやブラケットを使わない、マウスピースによる矯正方法もあります。マウスピース矯正なら痛みも少なく、取り外しも可能です。

 

【3.市販の薬を使用する】
口内炎全般への対処策として、市販の薬を使用するという方法もあります。口内炎用の薬としては、軟膏タイプ、貼るタイプ、スプレータイプがあります。

【4.刺激の少ない食事をする】
口内炎ができてしまったら、なるべく患部を刺激しない食事をとるようにし、口内炎の悪化を防ぎましょう。カレーやキムチなどの香辛料が強い食べ物や、粘膜を刺激してしまうメロンやキウイなどは控えるとよいでしょう。また、熱すぎたり冷たすぎたりしないようにも注意しましょう。
 

【5.口の中を清潔に保つ】
矯正期間中は歯みがきがしにくく、意識しないと口の中を清潔に保つことができません。清潔に保つことで口内炎ができにくくなるほか、できてしまっても悪化を防ぐことができます。
 

【6.体の免疫力を高める】
栄養バランスのとれた食事に加え、しっかりとした睡眠と休息をとることを意識して、ストレスをためないように体の免疫力を高めておきましょう。免疫力がさがると、少しの傷でも口内炎ができやすくなってしまいます。

矯正中はある程度の我慢は必要なものの、あまりにひどい痛みをずっと我慢している必要はありません。口内炎ができてしまったら、矯正歯科医に相談しましょう。

 

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